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2009/10/28 Wed
症例A (角川文庫)症例A (角川文庫)
(2003/01)
多島 斗志之

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精神医療をテーマとした長編小説。

軸となるのは精神分裂病(現病名は統合失調症)と診断された患者と
その患者を担当することになった精神科医の話。

前任の担当医師は精神分裂病と診断したその患者を
新しく担当することになった医師は境界例人格障害ではないかと疑い
その一方で臨床心理士は解離性同一性障害ではないかと疑う。

このテーマを中心にして精神医療の現場が詳細に描かれ
それと同時にまったく別の博物館の展示物というテーマが並行する。

ただでさえ重い精神医療というテーマに
さらに重厚な博物館(しかも重要文化財級の美術品)というテーマ。
当然のことながらかなりのボリューム。

前半は読み進むのに苦労した部分もあったものの
中盤からは話のつながりが見えてきたこともあっておもしろさ倍増。

精神医学と精神分析学のちがい。
また心理学とのちがい。
混同しがちだがまったく別物、という指摘は
まさに自分に言われているようでドキッとした。

クライマックスは感動的だと思ったけれど
最後の最後はなんというか、それまでの重さに比べて陳腐な気がした。
ちょっとがっかり。


★★★★

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