わたしの本棚

Locoが読んだ本をオススメ度とともに幅広くご紹介します。

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『症例A』

2009.10.28 (Wed)

症例A (角川文庫)症例A (角川文庫)
(2003/01)
多島 斗志之

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精神医療をテーマとした長編小説。

軸となるのは精神分裂病(現病名は統合失調症)と診断された患者と
その患者を担当することになった精神科医の話。

前任の担当医師は精神分裂病と診断したその患者を
新しく担当することになった医師は境界例人格障害ではないかと疑い
その一方で臨床心理士は解離性同一性障害ではないかと疑う。

このテーマを中心にして精神医療の現場が詳細に描かれ
それと同時にまったく別の博物館の展示物というテーマが並行する。

ただでさえ重い精神医療というテーマに
さらに重厚な博物館(しかも重要文化財級の美術品)というテーマ。
当然のことながらかなりのボリューム。

前半は読み進むのに苦労した部分もあったものの
中盤からは話のつながりが見えてきたこともあっておもしろさ倍増。

精神医学と精神分析学のちがい。
また心理学とのちがい。
混同しがちだがまったく別物、という指摘は
まさに自分に言われているようでドキッとした。

クライマックスは感動的だと思ったけれど
最後の最後はなんというか、それまでの重さに比べて陳腐な気がした。
ちょっとがっかり。


★★★★

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『ぼくのメジャースプーン』

2009.10.25 (Sun)

ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)
(2006/04/07)
辻村 深月

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あらすじを読んだ印象よりも
本の装丁のイメージよりも
読んだあとの感動のほうがはるかに大きかった作品。

主人公は小学校四年生の男の子。
ある事件で傷ついたクラスメイトの女の子を救おうと
自分が持つ「特別な力」と向き合いながら
大切な人を守るため、自分自身を守るために
迷いながら成長していくストーリー。

「ぼく」という小学生の視点で描かれているにもかかわらず
大人が読んでも考えさせられるような内容。
むしろ子供には難しすぎると思う。

「ぼく」の師匠となる大学の教授は
どこか人を突き放したようなところがある淡々とした人柄だけれど
それでもあたたかみを感じてしまう不思議な魅力がある。
「ぼく」を子ども扱いしないところもなんだか素敵。

ひとを大切にするとはどういうことなのか。
大切なひとを守るとはどういうことなのか。

そんなことを考えさせられたおすすめの一冊。


* 心に残ったフレーズ *

 自分のために一生懸命になってくれる誰かがいること。
 自分が誰かにとってのかけがえのない人間であることを思い出すことでしか
 馬鹿にされて傷ついた心は修復されない。


★★★★★

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